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映画館のライバルは「サウナ・銭湯」と「スポーツジム」?
「若者の映画館離れに関する調査」

お客さまのマーケティングリサーチを課題設定からアクションプランまでトータルで支援する株式会社ユニークルーパーで、「若者の映画館離れに関する調査」を実施いたしました。

 

多くの映画館で、「一般」の料金が2000円になったことに加え、コロナ禍を経てAmazonプライムやNetFlixなどの動画配信サービスで映画を観ることが当たり前になってきたことから、若者の映画館離れが進んでいると言われています。本調査では、若者の映画館利用の実態と、映画館に行く若者は何を求めて足を運んでいるのか、またどうすれば若者の映画館利用が促進されるかという点について、アンケート調査を実施しました。

映画館で映画を観ることは、他のアクティビティと比べてどのくらい人気なのでしょうか。直近1年以内に「自分でお金を払って利用した娯楽施設、アクティビティ」でみると、全体では「映画館(映画鑑賞)」は28.4%で、「温泉、サウナ、銭湯」(23.6%)「コンサート・ライブ」(21.2%)と比べても高く、依然として映画館で映画を観ることは身近なアクティビティだと言えます。

性別では男性よりも女性の方が「映画館」が高く、特に、40代以上の中高年女性は、4割ほどが「年に1回以上映画館で映画を観ている」ことがわかります。また、20代、30代の男性ではアクティビティの中では「スポーツ観戦」と並んで「映画館」が最も多く選ばれています。
 

一方で、やや懸念されるのは、男性(全年代)や20代、30代の女性は「上記に当てはまるものはない」が最も多く選ばれていることです。コロナ禍を経て、余暇を家で過ごす「巣ごもり需要」が進み、外に出るシーン自体が減っていることがうかがえます。

ここからは、映画館で映画を観る人を映画鑑賞者とし、20代~30代の映画鑑賞者を「月に1回以上:ヘビーユーザー」「2~3か月に1回程度:ミドルユーザー」「半年に1回以下:ライトユーザー」にわけて、映画の視聴態度にどのような変化があったかを見てみます。コロナ以前の2019年頃と比べると、全体では、映画そのものの鑑賞は「増えた・少し増えた:計」が31.8%で、「変わらない」が53.1%、「少し減った・減った:計」は全体の15.2%に留まります。特にヘビーユーザーは「増えた」が21.6%と高く、映画館に足を運んでいる人でみると、映画の視聴自体が低下しているわけではなさそうです。

では、映画をどこで見ているのでしょうか。映画館での映画鑑賞でみると、「複数人で」よりも「一人で」が増えており、特にヘビーユーザーは28.2%が一人の映画鑑賞が増えたと回答しています。コロナ禍を経て一人で映画館に行く傾向が高まっていることがわかります。

その一方で、ライトユーザーは「一人で」の来館が「少し減った・減った:計」が22.0%とやや高く、同様に「複数で」も27.4%が減ったと回答しています。ライトユーザーの傾向を捉えると、やや映画館離れをしているように見られます。

一方の動画配信サービスでの映画鑑賞は、全体で「増えた」が25.0%と圧倒的に高く、コロナ禍でAmazonプライムや、NetFlixなどの映画鑑賞が定着していることがうかがえます。ただし、ヘビーユーザーからライトユーザーまで同様の傾向であり、動画配信サービスの視聴が増えたこと自体が、映画館での映画鑑賞の頻度を低減しているとは言えないでしょう。

次に、映画館で映画を観る機会が「減った」人の理由をみると、「映画館のチケット代が高いから」が55.6%で、全体の過半数を占めています。次いで「観たいと思える映画が少なくなったから」(37.0%)「動画配信サービスで映画を観るようになったから」(29.6%)が続きます。ライトユーザーはチケット代の要因が強いのですが、ミドルユーザーは上位3つの要因が拮抗しており、「仕事や育児等で映画館に行く時間がなくなった」「映画以外の趣味に時間を使うようになった」という回答も他ユーザーと比べて強く出ています。映画館離れの要因は、映画館のチケット代の高騰や、動画配信サービスの台頭だけでなく、ライフステージの変化等によって、映画そのものへの興味・関心が薄れていることが読み取れます。

では、映画館で映画を観る代わりにどんなことをしているのでしょうか。コロナ禍以降、映画館に行く代わりに利用するようになった娯楽施設・アクティビティの設問でみると、全体では「温泉・サウナ・銭湯」(27.7%)がトップで、「テーマパーク・遊園地」(20.0%)「コンサート・ライブ」(18.0%)が続きます。「温泉・サウナ・銭湯」は女性よりも男性の方が高く、男性は他に「スポーツジム・フィットネスクラブ」や「アウトドア」も高いことから、サウナ、筋トレ、キャンプ好きが増えたことの影響がみられます。
 

また、20代女性は「テーマパーク・遊園地」「コンサート・ライブ」が高いことから、ディズニーランドと推し活が、映画のライバルになっているようです。

ミドルユーザーに着目すると、「温泉・サウナ・銭湯」「スポーツジム・フィットネスクラブ」というソロ活のアクティビティが高く、これらのアクティビティが映画館の代わりになる理由をみると、「リラックスできるから」に加えて、「天候に左右されない」「一人で楽しめる」という理由が上位で、映画館と同じ効果を期待していることがうかがえます。また、映画館では実現が難しい「立地がよい/行きやすい」「時間の制約がない/好きな時間に行ける」という点も人気の要因のようです。

最後に、映画館が今後どうなったら、もっと足を運ぶようになるかについて「一人で映画館に行く場合」と「家族や友人など複数人で行く場合」にわけて聞いたところ、共通して「ゆったりできる座席や個室ブース」がトップにあげられました。

 

一人で行く場合は「最新の映像・音響技術(4DX/IMAX等)」「映画館でしか手に入らないグッズや特典」「深夜や早朝に上映作品がある」ことが上位にあがり、友人や家族など複数名で映画館に行く場合は、「ポップコーンやドリンクの食べ飲み放題」や「バーのようにドリンクやつまみが楽しめる」といった少人数の映画鑑賞会のようなニーズがあることが読み取れます。

■1年以内に自分でお金を払って映画館で映画を観た人は、全体の28.4%

■コロナ禍を経て、「一人で」映画館を訪れることが多くなっている

■映画館利用が「半年に1回以下」のライトユーザーに、映画館離れがみられる

■映画館離れの理由は、「チケット代」と「観たい映画が少なくなった」から

■映画館の代替として「サウナ・銭湯」「ディズニーランド」「推し活」が人気

■「サウナ・銭湯」「スポーツジム」はソロ活向き。リラックスできて、天候に左右されない点も映画館と似ている

■一人か、複数名か。シーンに応じて異なるニーズを取り込めば商機はあるのではないか

 ■調査概要

・調査期間:2024年7月3日(水)~7月8日(月) 

・調査対象:首都圏在住の20代、30代の男女、有職者

・サンプル数:300サンプル(有効回答数)

・調査方法:インターネット調査

・調査機関:自社調査 (セルフアンケートツール「QIQUMO」を利用)

■本調査に関するお問い合わせ先

株式会社ユニークルーパー 担当者:井上、平野

Tel : 03-6802-8647 mail : hello@uniquelooper.jp

     2024年8月20日

     株式会社ユニークルーパー

今回の調査から、「映画館で映画を観ること」は家の外のアクティビティの中では一定のポジションを維持しているものの、コロナ禍を経てインドア思考が高まっていること、またチケット代の高騰や、動画配信サービスの台頭により、ライトユーザーは離反しやすい状況であることがわかりました。今後、映画館の利用を高めるためには、「ゆったりとした座席・個室ブース」「最新の映像・音響技術が楽しめる」といった映画館の設備だけでなく、飲食の質やバリエーションを含めた「映画鑑賞体験」の充実、作品の人気や時間帯で料金が変わるシステムなどを導入することが効果的ではないかと考えられます。

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お客さまのマーケティングリサーチを課題設定からアクションプランまでトータルで支援する株式会社ユニークルーパーで、「若者の映画館離れに関する調査」を実施いたしました。

 

多くの映画館で、「一般」の料金が2000円になったことに加え、コロナ禍を経てAmazonプライムやNetFlixなどの動画配信サービスで映画を観ることが当たり前になってきたことから、若者の映画館離れが進んでいると言われています。本調査では、若者の映画館利用の実態と、映画館に行く若者は何を求めて足を運んでいるのか、またどうすれば若者の映画館利用が促進されるかという点について、アンケート調査を実施しました。

映画館のライバルは「サウナ・銭湯」と「スポーツジム」?
「若者の映画館離れに関する調査」

     2024年8月20日

     株式会社ユニークルーパー

映画館で映画を観ることは、他のアクティビティと比べてどのくらい人気なのでしょうか。直近1年以内に「自分でお金を払って利用した娯楽施設、アクティビティ」でみると、全体では「映画館(映画鑑賞)」は28.4%で、「温泉、サウナ、銭湯」(23.6%)「コンサート・ライブ」(21.2%)と比べても高く、依然として映画館で映画を観ることは身近なアクティビティだと言えます。

性別では男性よりも女性の方が「映画館」が高く、特に、40代以上の中高年女性は、4割ほどが「年に1回以上映画館で映画を観ている」ことがわかります。また、20代、30代の男性ではアクティビティの中では「スポーツ観戦」と並んで「映画館」が最も多く選ばれています。
 

一方で、やや懸念されるのは、男性(全年代)や20代、30代の女性は「上記に当てはまるものはない」が最も多く選ばれていることです。コロナ禍を経て、余暇を家で過ごす「巣ごもり需要」が進み、外に出るシーン自体が減っていることがうかがえます。

■1年以内に自分でお金を払って映画館で映画を観た人は、全体の28.4%

ここからは、映画館で映画を観る人を映画鑑賞者とし、20代~30代の映画鑑賞者を「月に1回以上:ヘビーユーザー」「2~3か月に1回程度:ミドルユーザー」「半年に1回以下:ライトユーザー」にわけて、映画の視聴態度にどのような変化があったかを見てみます。コロナ以前の2019年頃と比べると、全体では、映画そのものの鑑賞は「増えた・少し増えた:計」が31.8%で、「変わらない」が53.1%、「少し減った・減った:計」は全体の15.2%に留まります。特にヘビーユーザーは「増えた」が21.6%と高く、映画館に足を運んでいる人でみると、映画の視聴自体が低下しているわけではなさそうです。

■コロナ禍を経て、「一人で」映画館を訪れることが多くなっている

では、映画をどこで見ているのでしょうか。映画館での映画鑑賞でみると、「複数人で」よりも「一人で」が増えており、特にヘビーユーザーは28.2%が一人の映画鑑賞が増えたと回答しています。コロナ禍を経て一人で映画館に行く傾向が高まっていることがわかります。

その一方で、ライトユーザーは「一人で」の来館が「少し減った・減った:計」が22.0%とやや高く、同様に「複数で」も27.4%が減ったと回答しています。ライトユーザーの傾向を捉えると、やや映画館離れをしているように見られます。

■映画館利用が「半年に1回以下」のライトユーザーに、映画館離れがみられる

一方の動画配信サービスでの映画鑑賞は、全体で「増えた」が25.0%と圧倒的に高く、コロナ禍でAmazonプライムや、NetFlixなどの映画鑑賞が定着していることがうかがえます。ただし、ヘビーユーザーからライトユーザーまで同様の傾向であり、動画配信サービスの視聴が増えたこと自体が、映画館での映画鑑賞の頻度を低減しているとは言えないでしょう。

次に、映画館で映画を観る機会が「減った」人の理由をみると、「映画館のチケット代が高いから」が55.6%で、全体の過半数を占めています。次いで「観たいと思える映画が少なくなったから」(37.0%)「動画配信サービスで映画を観るようになったから」(29.6%)が続きます。ライトユーザーはチケット代の要因が強いのですが、ミドルユーザーは上位3つの要因が拮抗しており、「仕事や育児等で映画館に行く時間がなくなった」「映画以外の趣味に時間を使うようになった」という回答も他ユーザーと比べて強く出ています。映画館離れの要因は、映画館のチケット代の高騰や、動画配信サービスの台頭だけでなく、ライフステージの変化等によって、映画そのものへの興味・関心が薄れていることが読み取れます。

■映画館離れの理由は、「チケット代」と「観たい映画が少なくなった」から

では、映画館で映画を観る代わりにどんなことをしているのでしょうか。コロナ禍以降、映画館に行く代わりに利用するようになった娯楽施設・アクティビティの設問でみると、全体では「温泉・サウナ・銭湯」(27.7%)がトップで、「テーマパーク・遊園地」(20.0%)「コンサート・ライブ」(18.0%)が続きます。「温泉・サウナ・銭湯」は女性よりも男性の方が高く、男性は他に「スポーツジム・フィットネスクラブ」や「アウトドア」も高いことから、サウナ、筋トレ、キャンプ好きが増えたことの影響がみられます。
 

また、20代女性は「テーマパーク・遊園地」「コンサート・ライブ」が高いことから、ディズニーランドと推し活が、映画のライバルになっているようです。

■映画館の代替として「サウナ・銭湯」「ディズニーランド」「推し活」が人気

最後に、映画館が今後どうなったら、もっと足を運ぶようになるかについて「一人で映画館に行く場合」と「家族や友人など複数人で行く場合」にわけて聞いたところ、共通して「ゆったりできる座席や個室ブース」がトップにあげられました。

 

一人で行く場合は「最新の映像・音響技術(4DX/IMAX等)」「映画館でしか手に入らないグッズや特典」「深夜や早朝に上映作品がある」ことが上位にあがり、友人や家族など複数名で映画館に行く場合は、「ポップコーンやドリンクの食べ飲み放題」や「バーのようにドリンクやつまみが楽しめる」といった少人数の映画鑑賞会のようなニーズがあることが読み取れます。

■一人か、複数名か。シーンに応じて異なるニーズを取り込めば商機はあるのではないか

今回の調査から、「映画館で映画を観ること」は家の外のアクティビティの中では一定のポジションを維持しているものの、コロナ禍を経てインドア思考が高まっていること、またチケット代の高騰や、動画配信サービスの台頭により、ライトユーザーは離反しやすい状況であることがわかりました。今後、映画館の利用を高めるためには、「ゆったりとした座席・個室ブース」「最新の映像・音響技術が楽しめる」といった映画館の設備だけでなく、飲食の質やバリエーションを含めた「映画鑑賞体験」の充実、作品の人気や時間帯で料金が変わるシステムなどを導入することが効果的ではないかと考えられます。

 ■調査概要

・調査期間:2024年7月3日(水)~7月8日(月) 

・調査対象:首都圏在住の20代、30代の男女、有職者

・サンプル数:300サンプル(有効回答数)

・調査方法:インターネット調査

・調査機関:自社調査 (セルフアンケートツール「QIQUMO」を利用)

■本調査に関するお問い合わせ先

株式会社ユニークルーパー 担当者:井上、平野

Tel : 03-6802-8647 mail : hello@uniquelooper.jp

ミドルユーザーに着目すると、「温泉・サウナ・銭湯」「スポーツジム・フィットネスクラブ」というソロ活のアクティビティが高く、これらのアクティビティが映画館の代わりになる理由をみると、「リラックスできるから」に加えて、「天候に左右されない」「一人で楽しめる」という理由が上位で、映画館と同じ効果を期待していることがうかがえます。また、映画館では実現が難しい「立地がよい/行きやすい」「時間の制約がない/好きな時間に行ける」という点も人気の要因のようです。

■「サウナ・銭湯」「スポーツジム」はソロ活向き。リラックスできて、天候に左右されない点も映画館と似ている

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